「いじめ」とか「いじり」とか

「いじめ/ファシズム/引きつった笑い - 過ぎ去ろうとしない過去」あたりの話。「ニコニコ大会議*1」で、話者のストリーミングビデオにリアルタイムに罵倒語が書かれたということで、それは「いじめ」と同じだろう、いや違うという議論が起こっているようだ。…

説得:逃げ道の用意をすべきである理由

今回は、「説得の方法を考える(そしてやはり挫折するかも) - Skepticism is beautiful」のポイント3「逃げ道の用意」について書きます。逃げ道は必要という話について、菊池誠教授が一度「逃げ道は塞がない」という批判の指針に触れていたことがあるぐら…

説得:共感を伴う説明

「説得の方法を考える(そしてやはり挫折するかも) - Skepticism is beautiful」で触れたように、人間は、単なる分かりやすい説明では納得しない場合が多いようです。今回はポイント2「共感を伴う説明」について、心理学的な要素を考慮しながら、考察して…

説得の方法を考える(そしてやはり挫折するかも)

さて、説得について偉そうなエントリを上げてきたので、実際に使える方法の提案まで進めるのが望ましい事だと思います。しかし、数多の偉大な先人も成功してきたとは言い難いトピックですので、私が挫折したところで、何の不思議もないでしょう*1。 前提事項…

説得における共感の重要性

議論や対話に重要なこと - Skepticism is beautiful」では、以下のような指針を提示しました。この指針の背景についてもうちょっと違う表現で書いてみたいと思います*1。 相手の言っていることは基本的に正しいことだとして解釈せよ 相手の言い分が非合理で…

空気は読んで踏みにじるもの

「空気は読んで踏みにじるもの」というダイアリーがある。なんというか、そのタイトルにガツンとやられた。リンク先への言及ではありません。 空気を読んだ上で、その空気から外れたことをするのと、はじめから読まないのでは大違いである。なぜなら、空気を…

6月のアクセス数ベスト10

誰も喜ばないと思いますが、当ダイアリーの6月のアクセス数ベスト10エントリ*1をGoogle Analytics*2から発表します。盛り上がりもなにもなく1位からの発表です。 私のエントリは、1エントリ毎にきちんと話が独立していなかったりするので*3、色々読んでいた…

科学は絶対ではない

信奉者から批判者に向けられる「科学権威主義ではないか?」といった批判(非難?)がある。私たち批判者は、そんなことは百も承知だと思っているため、「まともな科学者で科学を絶対だと思っている人などいない」とか「それは科学者が一番知っている」とい…

なぜ考える前にググって良いのか

「考える前にもっとググっていいんだよ - Skepticism is beautiful」には「順番など関係ない」といった趣旨の比較的に厳しい評価もあったようです。考えるか考えないかの問題であって、順番がそれほど重要ではないという指摘は納得行く人も多いと思います。 …

信奉者の問題を過大評価する可能性のある4つのバイアス

はじめに注意しておきたいのは、人間には様々なバイアス*1が存在しますが、それはバイアスと反対方向に認識を偏らせれば正しいということを意味するわけではありません。バイアスの反対方向の考えがよりもっともらしいというわけでもありません。 単に、バイ…

相手の態度はコントロール不可能ではない

批判されて、なるほどわかりました、となる人は少ない - カナかな団首領の自転車置き場と、ぽりあんてなというエントリを読んだ。どちらも、批判や議論、説得のコミュニケーションに関する話です。ニセ科学批判の話が前提にある模様。 批判というコミュニケ…

あなたのいう常識は本当に常識なのか

人に教えるときの常識 - 遥か彼方の彼方からという記事を読んだ。私が、この記事の内容で強く感じるのは、常識や最低限の知識がないとかあるとかの問題ではなく、それを指摘することの「影響力」でした。 注:原理原則に言及する意図はなく、あくまで留意点…

考える前にもっとググっていいんだよ

Life is beautiful: 自分で考える前にググっていませんか?というエントリを読んだ。いや、考える前にググることは推奨していいと考える。私がある問題に対面したとき、頭の良さだけで解決できると思ってはいけない。 - Skepticism is beautifulで書いたこと…

信奉者の説得について

信奉者の説得について、色々な意見が出ています。なかなか高尚な意見が多いなというのが正直なところです。poohさんエラー:So-netブログのコメント欄に端を発し、TAKESANさんのところ(説得という事: Interdisciplinary)や、id:dlitさんのところ(「ビリー…

懐疑主義者が批判的思考を実行しているとは限らない

信奉者以外にとって、懐疑主義者*1はトンデモにひっかからず、より妥当な見解を持っているように見える場合が多いと思います。その背景にはきちんとした批判的思考があるんだろうという想像をする人もいるかもしれません。しかし、単純にそうとも言えません…

ある問題に対面したとき、頭の良さだけで解決できると思ってはいけない。

批判的思考のポイントは「態度」「知識」「技術」の3点でしたね。批判的思考を行うという態度をもっと重要視して欲しいというのが前回のエントリ*1でしたが、今回は知識に焦点を当ててみましょう。 批判的思考における「創造性」の重要さ 日本の批判的思考研…

批判的思考の態度に光をあてて欲しい

重要なのは知識なのか考え方なのか 批判的思考(クリティカル・シンキング)とは何か - Skepticism is beautifulでは、批判的思考のポイントとして以下の3つをあげました。これは、批判的思考の入門書でも、専門的な論文でも普通に使われている分け方です。 …

使い方次第で批判的思考は良くも悪くもなる

基本的に「批判的思考をしよう!」というベースがあるわけですが、その上で批判的思考の限界の認識もあった方が良いと思います。 批判的思考と論理的思考との違い 批判的思考は、単純に論理的思考と一致しません。論理は理想的な状態で前提から必然的に導か…

議論や対話に重要なこと

皮肉と当てこすりとでは世界は変わらない。 - novtan別館という記事を読んだ。私も皮肉や当てこすりで他人の行動を変えることができるとしたら、それはネガティブというか破壊的な方向だと思います。対話において重要なのは他者理解です。他者理解を妨げるバ…

必読:批判的思考を知るための3大オススメ本

批判的思考については、私のエントリを読むよりも、より正確で体系的な知識を得られる本があります。特に自信をもってオススメできる本を紹介します。クリティカルシンキングをうたったビジネス本はいくつも出ていますが、ビジネス本を何冊も読むよりも信頼…

批判的思考(クリティカル・シンキング)とは何か

はじめに 理性的な人がなぜ信奉者になってしまうのか?という問題については、心理学的なアプローチが色々あります。それはそれで非常に興味深く好きな分野なので触れたいのですが、エントリの流れに従うと、先に別の視点から触れたい内容があります。ところ…

それでも私は彼らをバカなどではないと言い続けるッ!!

トラックバックいただいたバカへの信を問う - モジモジ君の日記。みたいな。というエントリを受けて*1。id:mojimojiさんが自分の中にしかない自分定義で「バカであるその人を目的とするようにバカにしろ」と主張するのと同じように、私は私が勝手に一般的な…

最近の若者は

最近の若者は…という言及はよく聞くが、「若者」の代わりに「高齢者」を入れると真実味を帯びたネット言説っぽくなる法則*1。 最近の若者はキレやすい 最近の高齢者はキレやすい 最近の若者は本を読まない 最近の高齢者は本をよまない 最近の若者の言葉遣い…

信奉者は批判的思考を扱えないわけではない

ニセ科学や超常現象、オカルトなどを信じている人が単なるバカではないということについては、もうちょっと掘り下げてみてもいいかもしれないと思ったのでさらに書きます。 思考のバイアス 心理学では、結論をもっともらしいと感じる意見は批判的思考*1にさ…

あなたの周りにいる人はバカばかりですか?

ニセ科学や超常現象、オカルトなどを信じている人(世の中の多数派を占める人)がバカであるという考え方をする人は、id:mojimojiさんに限らず特に珍しくありません。私の印象だけで言えば、むしろ主流かもしれないと感じます。もし、あなたがそういう考えを…

で、それはどなたのことで?

十字軍はバカに勝てるか - モジモジ君の日記。みたいな。というエントリを読んだ。本文が長いので、まずは自分用にまとめます。尚、id:mojimojiさんの疑似科学の定義がオレオレ定義であることが判明しているので、疑似科学という言葉は用いず「ニセ科学とそ…

知識は正しい方がよい

「知識は正しい方がよい」などという考え方は、「知的倫理観」などというもっいぶった言い回しをするまでもなく当たり前のようですが、世の中では比較的無頓着に扱われています。人間は意外と合理的 - Skepticism is beautiful という話で終了した話の続きで…

池内了『疑似科学入門』が懐疑論者ホイホイな件について

懐疑論者なら、何かを言わずにはいられなくなるのではないだろうか? この本は疑似科学への入門書ではなく、疑似科学のことを知らない人へ免疫をつける事を狙った本。帯は「ニセ科学のわなに落ちないために」であって、書名よりむしろこっちの方が意図を的確…

菊池誠さんや天羽さんが話題にしているからと言って全てがニセ科学の問題ではない

言いたい事はタイトル通りで、あまりにも当たり前のことなのですが、どうも菊池さんや天羽さんが話題に出していると(問題視していると)、全て「ニセ科学」の話題だとして解釈している人が居るようです。これは特にニセ科学批判批判*1の文脈で見られるよう…

疑似科学の定義問題

疑似科学って言いたいだけちゃうんかと - Skepticism is beautifulという記事を書いたわけですが、疑似科学って言いたくないだけちゃうんかと - モジモジ君の日記。みたいな。という返信をもらったので、返答はしておくべきかな?と。id:mojimojiさんはもっ…