2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

批判をするのならば「いかにして問題」に逃げないこと

経緯*1 もとともは大槻教授が「ムペンバ効果」に対して行った批判*2がダメダメすぎるというところから始まりました*3。その反応として「捨身成仁日記 炎と激情の豆知識ブログ!」というエントリが立ち、「いかにして問題」の話になります。 亀さんのところの…

フェスティンガーの認知的不協和理論(社会心理学 第三回)

さて、ニセ科学批判系の話ではよく出てくるフェスティンガーの認知的不協和理論(congnitive dissonance theory)です。よく出てくる割には意外に教科書的な説明が見つからないです。 基本的説明 獲得した認知間に食い違いや矛盾が存在すると(不協和関係)、…

ハイダーの認知的均衡理論(社会心理学 第二回)

基本的説明 「認知的均衡理論(congnitive balance theory)」は、自分(P)と、他者(O)と、対象(X)の間には、均衡状態と不均衡状態があり、不均衡状態にある場合は、不均衡を解消するように動機付けられるという理論です。以下に均衡状態と不均衡状態の図を示し…

態度と認知的一貫性理論(社会心理学 第一回)

基本的説明 社会心理学において「態度(attitude*1)」とは以下の3要素に分けて考えられるとのことです。 「態度(attitude)」 感情 認知 行動 「認知的一貫性理論(cognitive consistency theory)」は人の「態度」に関する理論です。態度に関する古典的な理…

改めて社会心理学のお勉強をしてみる(社会心理学 プロローグ)

ここでは議論や説得についていくつか記事を書いてきました。今までは通俗書から得た(つまみ食い的な)心理学の知識と自身の議論経験を頼りに書いてきました。本来この手の話は主に社会心理学が対象としてきた分野ですので、ここら辺で社会心理学の教科書的…

特殊な選択的思考の実例としてABO FAN氏発言を見る

池内了『疑似科学入門』の血液型性格判断への言及について、血液型性格判断擁護者としてとても有名なABO FAN氏から具体的な指摘が出ています。実際のところ『疑似科学入門』にはこの手のダメな批判が散見されるので、私も「論じている対象に詳しくないために…

「いじめ」とか「いじり」とか

「いじめ/ファシズム/引きつった笑い - 過ぎ去ろうとしない過去」あたりの話。「ニコニコ大会議*1」で、話者のストリーミングビデオにリアルタイムに罵倒語が書かれたということで、それは「いじめ」と同じだろう、いや違うという議論が起こっているようだ。…

説得:逃げ道の用意をすべきである理由

今回は、「説得の方法を考える(そしてやはり挫折するかも) - Skepticism is beautiful」のポイント3「逃げ道の用意」について書きます。逃げ道は必要という話について、菊池誠教授が一度「逃げ道は塞がない」という批判の指針に触れていたことがあるぐら…

説得:共感を伴う説明

「説得の方法を考える(そしてやはり挫折するかも) - Skepticism is beautiful」で触れたように、人間は、単なる分かりやすい説明では納得しない場合が多いようです。今回はポイント2「共感を伴う説明」について、心理学的な要素を考慮しながら、考察して…

説得の方法を考える(そしてやはり挫折するかも)

さて、説得について偉そうなエントリを上げてきたので、実際に使える方法の提案まで進めるのが望ましい事だと思います。しかし、数多の偉大な先人も成功してきたとは言い難いトピックですので、私が挫折したところで、何の不思議もないでしょう*1。 前提事項…

説得における共感の重要性

議論や対話に重要なこと - Skepticism is beautiful」では、以下のような指針を提示しました。この指針の背景についてもうちょっと違う表現で書いてみたいと思います*1。 相手の言っていることは基本的に正しいことだとして解釈せよ 相手の言い分が非合理で…

空気は読んで踏みにじるもの

「空気は読んで踏みにじるもの」というダイアリーがある。なんというか、そのタイトルにガツンとやられた。リンク先への言及ではありません。 空気を読んだ上で、その空気から外れたことをするのと、はじめから読まないのでは大違いである。なぜなら、空気を…

6月のアクセス数ベスト10

誰も喜ばないと思いますが、当ダイアリーの6月のアクセス数ベスト10エントリ*1をGoogle Analytics*2から発表します。盛り上がりもなにもなく1位からの発表です。 私のエントリは、1エントリ毎にきちんと話が独立していなかったりするので*3、色々読んでいた…