懐疑

ある問題に対面したとき、頭の良さだけで解決できると思ってはいけない。

批判的思考のポイントは「態度」「知識」「技術」の3点でしたね。批判的思考を行うという態度をもっと重要視して欲しいというのが前回のエントリ*1でしたが、今回は知識に焦点を当ててみましょう。 批判的思考における「創造性」の重要さ 日本の批判的思考研…

批判的思考の態度に光をあてて欲しい

重要なのは知識なのか考え方なのか 批判的思考(クリティカル・シンキング)とは何か - Skepticism is beautifulでは、批判的思考のポイントとして以下の3つをあげました。これは、批判的思考の入門書でも、専門的な論文でも普通に使われている分け方です。 …

使い方次第で批判的思考は良くも悪くもなる

基本的に「批判的思考をしよう!」というベースがあるわけですが、その上で批判的思考の限界の認識もあった方が良いと思います。 批判的思考と論理的思考との違い 批判的思考は、単純に論理的思考と一致しません。論理は理想的な状態で前提から必然的に導か…

議論や対話に重要なこと

皮肉と当てこすりとでは世界は変わらない。 - novtan別館という記事を読んだ。私も皮肉や当てこすりで他人の行動を変えることができるとしたら、それはネガティブというか破壊的な方向だと思います。対話において重要なのは他者理解です。他者理解を妨げるバ…

必読:批判的思考を知るための3大オススメ本

批判的思考については、私のエントリを読むよりも、より正確で体系的な知識を得られる本があります。特に自信をもってオススメできる本を紹介します。クリティカルシンキングをうたったビジネス本はいくつも出ていますが、ビジネス本を何冊も読むよりも信頼…

批判的思考(クリティカル・シンキング)とは何か

はじめに 理性的な人がなぜ信奉者になってしまうのか?という問題については、心理学的なアプローチが色々あります。それはそれで非常に興味深く好きな分野なので触れたいのですが、エントリの流れに従うと、先に別の視点から触れたい内容があります。ところ…

信奉者は批判的思考を扱えないわけではない

ニセ科学や超常現象、オカルトなどを信じている人が単なるバカではないということについては、もうちょっと掘り下げてみてもいいかもしれないと思ったのでさらに書きます。 思考のバイアス 心理学では、結論をもっともらしいと感じる意見は批判的思考*1にさ…

あなたの周りにいる人はバカばかりですか?

ニセ科学や超常現象、オカルトなどを信じている人(世の中の多数派を占める人)がバカであるという考え方をする人は、id:mojimojiさんに限らず特に珍しくありません。私の印象だけで言えば、むしろ主流かもしれないと感じます。もし、あなたがそういう考えを…

知識は正しい方がよい

「知識は正しい方がよい」などという考え方は、「知的倫理観」などというもっいぶった言い回しをするまでもなく当たり前のようですが、世の中では比較的無頓着に扱われています。人間は意外と合理的 - Skepticism is beautiful という話で終了した話の続きで…

疑似科学って言いたいだけちゃうんかと

疑似科学問題とはいかなる問題か - モジモジ君の日記。みたいな。というエントリを読んだ。用語を無視すれば全体的に書いてあることは至極もっともだと思う。もったいないので、用語に突っ込みを入れたい。 思うに、疑似科学問題とは、疑似科学と科学の区別…

あなたが懐疑主義だと思っているものは懐疑主義ではない

「知識は正しい方がよい」という話をもうちょっと掘り下げようと思ったら、なぜか懐疑論になってしまったので、先にこっちを投下します。 懐疑主義とは疑うことではない まかり間違って私の文章を読んでいるような人から見ると、世間には「あまりに簡単に信…

人間は意外と合理的

呪術で読み解くニセ科学 ニセ科学がらみの話題で呪術の話が盛り上がっています(いました)。きっかけは、id:Francisさんの「図説金枝篇を読んでニセ科学について考えた - あなたの正義は誰を殺しますか」というエントリの模様(はてブで言及されているリン…

これもまた「ニセ科学批判」批判か?

なんというか - finalventの日記という記事を読んだ。これは、ニセ科学界隈に関する予備知識のない人の利便性のために書いてみたという覚えておきたい、ニセ科学リスト - 妄想科學日報という記事への中の「経皮毒」についてのコメントである。まず、元記事の…

新しい懐疑団体の発足

日本に新しい懐疑団体が発足した。「超常現象の懐疑的調査のための会」ASIOS(アシオス)という団体だ。Webページも公開されている。 ASIOS - 超常現象の懐疑的調査のための会 - Japan Skeptics 日本の懐疑団体としては、Japan Skepticsが有名なようだ。Japan …

変な批判・嫌悪感の源

嫌悪感 「ニセ科学批判」の批判と、超常現象否定派の否定行動はどこか似ているところがあるという印象と、嫌悪感を持っていた。「流行:Chromeplated Rat」というエントリと、そのエントリで言及されている「疑似科学批判が流行る理由 : 社会学玄論」という…

予防原則の弊害

業者に利用される予防原則的考え方 世の中に蔓延している健康商法には、「〜は健康にいい」という直球の他に、「〜は危険だ」という情報を流し、「だから自然由来のものを選びましょう」という話に繋げ、高い商品を売るものもある。さて、前者については「根…

『404 Blog Not Found:科学=永遠のβ版』

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50787697.html 弾氏は、科学を「永遠のβ版とみなす」という事を言っているようです。これは、今までの弾氏の中では最も適切な科学観だと言えます。逆にいままでニセ科学批判で的外れなことを言ってきたのは、この…

何をどう信じるか

『Not Found:書評 - 学者のウソ』懐疑論的視点からも「何をどう信じるか」というテーマは奥深く難しいものです。よく誤解されるものの、現代の懐疑主義者(哲学的懐疑論などを打たない者)は、何も信じないわけではありません。何もかもを疑うのならば、それ…