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『最強のクリティカルシンキング・マップ』

書評

著者の道田泰司様より最強のクリティカルシンキング・マップ―あなたに合った考え方を見つけようを献本いただきました。ありがとうございます。

道田さんとの出会い

僕は懐疑論者を自称しているわけなので、懐疑的思考とか科学的懐疑主義とかそういったことを意識する場面が多い方です。そんななかで、たぶん6年ぐらい前に初めて「クリティカルシンキング」という概念を知りました。今思えば、道田さんが本書で「教育系クリティカルシンキング」と分類しているものだったと思います。

その後「心理学系クリティカルシンキング」や「論理学系クリティカルシンキング」「哲学系クリティカルシンキング」と分類されているような本もいくつも読みました。クリティカルシンキングについてはそれなりに詳しくなったと言っていいと思います。

その頃に出会ったのが道田さんのWebページでした。ここでは道田さんの論文などを読むことができます。
http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~michita/jiko.html
ここで、共感・対話とクリティカルシンキングの関係について語っていることに、心動かされた覚えがあります。私が求めていたクリティカルシンキングでした。日本人のクリティカルシンキング研究者=道田教授という図式が確定した瞬間です。

本の話

今回の本は今までに無かったクリティカルシンキングの本です。僕はとても道田さんらしい本だと感じました。
巷のクリティカルシンキング本の多くは、クリティカルシンキングの一面的な話しかでてきません。この本では様々なクリティカルシンキング本を引用しながら全体を概観するマップを作っていきます。
クリティカルシンキングを探求する姿の実例を道田さんが示しているような印象も受けました。その中で「よりよい思考=クリティカルシンキング」を浮かび上がらせます。

しかし、この本の中で僕がすばらしいと思うのは、なんといっても6章「学びを深める」のところです。この章は他のクリティカルシンキング本を読んだだけでは、ほとんど出てこない話です。不正確な表現もありますが、ざっと列記してみます。

  • クリティカルシンキングは本来難しいことだ。
  • でも誰でもどこかではやっていることだ。
  • クリティカルシンキングは合理的で反省的な思考方法だが、反省しすぎでは問題解決につながらないことも、問題を悪化させることもある。
  • 開かれた心が必要。
  • 何かを決定するためには枠組みが必要。
  • 常識を疑うためには、別の常識の枠組みが必要。
  • クリティカルシンキングは必要なときに使えばよい。
  • 自分にあったクリティカルシンキングがある。

ここに列記したことについて、何か感じた方なら是非読んでほしいと思います。

追記

過去のエントリでも、クリティカルシンキングのおすすめ本を紹介しています。全くクリティカルシンキング関連の知識がない方はこっちの方を先に読まれた方がよいかもしれません。必読:批判的思考を知るための3大オススメ本 - Skepticism is beautiful