血液型性格判断FAQ -3-

血液型正確判断FAQの3回目です。

以前のエントリはこちら。

血液型性格判断FAQ -1- - 僕と懐疑の関係

血液型性格判断FAQ -2- - 僕と懐疑の関係

今回は、主に血液型性格判断を否定する側の疑問に答えます。

Q. 人間の性格は複雑なのに、A,B,O,ABの4つに分類できるなんておかしいんじゃないですか?

 分類が少なくなれば、その分類を使った分析も大雑把なものにならざるを得ませんが、だからといって分類できないということはありません。

 例えば、心理学では5因子モデルというモデルが使われる場合があります。このモデルを使って全ての因子を+とーに分類すれば、性格が32種類に分類できることになります。4種類よりは多いですが性格の複雑さを考えれば32種類でも十分に少ないでしょう。

 また、網羅的な分類を求めないのならば外交的か内向的かといったように2種類に分類しても問題はありません。

 そもそも、分類というのはある基準を設けて複雑なものを大雑把に分ける方法なので、種類が少ないこと自体は問題ではありません。問題になるのは基準の設け方とカテゴリ振り分けの正確さということになります。

Q. 血液型の分類の方法はABO式だけではないのにABO式血液型だけを見て性格を分類するのはおかしくないですか?

 様々な血液型分類方法の中でABO式血液型だけが性格との相関関係を持っているとしても、それだけでおかしいと判断することはできません。また、私の知る限りではABO式でない血液型と性格の相関関係は調査されていませんので、相関関係があるともないともいえません。

 ABO式血液型だけが性格との相関関係をもっているとしても、ABO式でない血液型が性格との相関関係をもっているとしても、そのことだけでは現在の血液型性格判断の信頼性には影響を与えません。ABO式血液型に影響を与える遺伝子と性格に影響を与える遺伝子が同じものなのかもしれません。そしてその遺伝子はABO式血液型以外の分類方法の血液型には影響を与えないのかもしれません。

Q. 私は血液型を当てられたことがありません。だから血液型性格判断なんて嘘ですよね?

 特定の人の血液型が当てられなかったという事実から言えるのは100%の精度で当てることができないということだけです。血液型性格判断が正しいと主張する人でも100%の精度で当てることができると主張する人は少ないのではないでしょうか。

Q. 血液型が性格に影響するようなメカニズムなんて無いんでしょ?

 確かに血液型が性格に影響するようなメカニズムは判明していません。しかし、そのこと自体で血液型性格判断を否定するのは間違いです。こういった問題は「いかにして問題」と呼ばれます。

 例えば、ある薬を二重盲検法で調べた結果、よく効く薬であることが判明したが、メカニズムの解明は進んでいないとします。二重盲検法では、効くか効かないかは分かってもメカニズムは分かりません。この状態で薬の効果を否定してしまうのは単純に間違いです。

 同じように、メカニズムがわからないからといって血液型性格判断を否定することはできません。メカニズムが不明なままでも血液型間に判断できるだけの性格の差があることがはっきりと分かれば問題ないのです。

Q. 血液型性格判断が本当なら、骨髄移植で性格も変わっちゃうんじゃないの?

 例えば、骨髄移植で変わってしまう血液型そのもの(赤血球の抗原の型)ではなく、そういった抗原の型を決める遺伝子が性格にも影響しているというメカニズムであれば、骨髄移植で血液型が変化しても性格が変わらないということが起こりえます。他にも骨髄移植で性格が変わらないメカニズムを考えることはできるでしょう。

 また、骨髄移植で血液型が変わってしまうと性格も変わってしまうということがあってもいいでしょう。それだけでは特に血液型性格判断を否定する根拠にはなりません。

 どちらにせよ、血液型性格判断が有効であるということが示されていない状況で、メカニズムの話をしてもしょうがないといえます。例えば「A氏は空を飛ぶ超能力を持っている」という主張があった場合、本当にA氏が空を飛ぶことを確認できないのに、空を飛ぶ超能力のメカニズムをうんぬんしてもA氏の能力を肯定することにも否定することにもならないのです(蓋然性の高低を見るという意味では無意味というわけではありません)。

Q. 統計的な差異(有意差)って全然無いんでしょう?

 あるという結果も少数ながらあります。しかし、血液型ステレオタイプの影響が質問紙の答えに出てしまった可能性などが指摘されており、血液型と性格の関連を実証する再現性の高い差とはいえないようです。

 また、有意差があるというデータでもその差は極僅かに留まっており、血液型から個人の性格を類推できるような結果ではありません。「Q. 統計的な有意差があるなら、性格から血液型を当てたり、血液型から性格を予想したりできますよね。」も参照してください。

Q. 「血液型に対する俗説や固定観念」が、逆に特定の血液型の人に影響を与えて本当にそういった性格に導いてしまう可能性はあるのでは?

 確かにそういったことがあってもおかしくありません。一部の調査では血液型ステレオタイプが質問紙の答えに影響しているのではないかと考えられる例もありました。しかしそういった結論は多数派ではなく、多くの調査では統計的な有意差がないという結論になっています。

 私個人の意見を言わせてもらえば、血液型性格判断で言われている俗説や固定観念の表現と全く同じような質問紙(アンケート)項目を用意し、最初に血液型を書く項目を用意すれば、自己申告の性格も血液型性格判断に沿ったものに偏る可能性は十分あると思います。しかし、通常の心理学の調査では血液型性格判断に沿った項目ではなく、心理学で用いられる性格傾向の質問を用いるため検出されないのかもしれません。

(追記 2017/5/8)

 以下の研究によると「90年代以降、山崎・坂元の結果は固定化(血液型による違いが安定化した)し、かつ2000年代以降は分散も小さくなり、血液型による違いが統計的に明確に優位であることが示された」とし、これが血液型性格判断自己成就予言として社会的に悪影響を与えているとしています。

『教員養成課程における科学リテラシー構築に向けた疑似科学の実証的批判的研究』

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22650191/

 ただ、私としてはこの結果が示すのは性格がそう変化したということではなく、性格の自己申告が偏っただけではないかとの疑問を持っています。どちらにせよ論文が「有意ではあるが、違いの大きさはごく微小であり、日常生活で「使える」ほどの大きな違いにはなっていないことも示された」とするように、血液型性格判断が正しいと信じることにより統計的な有意差が生じているとしても、現状、血液型性格判断が正しいというわけではないことに注意してください。

 

 

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