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超心理学に関する僕の意見

 結論から言おう。僕の現状の意見としては超心理学の中で研究されている超能力(ESPやPK)は存在しないだろう」というものである。

 

 現在まで超心理学の研究結果から得られている結論は「超能力は存在する可能性がある。しかし、それは検出が非常に難しいほど効果の小さいものである*1」といったものだと理解している*2

 超心理学には懐疑論者と超心理学研究者の間でのあまり褒められないような議論の歴史がある。懐疑論者が超心理学の研究を否定してきた歴史である。懐疑論者の中には「黒歴史」扱いしたり、懐疑論者の恥ずべき失敗という評価をする者もいる。だからこそ、超心理学の研究自体の否定に対し厳しい意見が出ることもある。

 ただ、僕自身はそれほどこの歴史について詳しくない。概要をなんとなく知っている程度である*3。なので、ここではその歴史の話はしない。

 超常現象論争を眺めていた方ならどこかで見たことがあるかもしれないが懐疑論者が超心理学を擁護する場合がある。特にASIOS*4はそう見えているだろう。ここは超絶的な違和感を感じるポイントになっているようだ。懐疑論者が超常現象を肯定しているようにも見えるからだ。

 でも違う。懐疑論者が擁護することがあるのは「超能力がある」という主張ではなく、超能力を検出しようとしている実験の手法である。超心理学の研究者が行なっている実験を科学的だと呼んで差し支えないという意味で擁護しているのである*5。ここで用いられている誤りを避けるための実験手法と統計は、一般的な心理学の研究よりも厳密であるという評価もある。

 超心理学の分野が特殊なのは、超常現象(といって良いかは議論があるけれど)の肯定的な研究者が科学的な研究を行なっているという点である。多くの場合、超常現象の肯定的研究者*6は、科学的な研究など行なわずに超常現象を肯定する。超常現象に肯定的な者が研究っぽいものを行なうこともあるが、科学的と呼べる様なものではないのがほとんどである。むしろ、科学を装うために研究っぽいものを行なっているように見えるのが現状だ。

 もちろん、超心理学の研究が科学だからといって超能力が存在することを意味するわけではない。先に示したように科学的な研究結果が示すのは「目に見えるような派手な効果は無い」という結論である*7。最も重要なのはこの結果が外部の研究者からの反証としてではなく、内部(肯定的な者)の研究にて得られたということである。肯定的研究者の期待は裏切られたであろうが、論文は公開されている。これは科学の手続きだ。

 

 まとめよう。超心理学の擁護をしているように見える懐疑論者というのは、超心理学の研究が科学的手順に従って行なわれており、研究者の科学的ではない手順や不正によって効果が出ているように見せかけられたものではないという意味で超心理学を擁護しているのである。肯定的な研究者の超能力に肯定的な結論の擁護ではない。

 


以下蛇足である。

 

 それでは、統計的な確率の揺らぎとしてしか検出できないという超微妙な効果は何によって生じるのか?超能力があるということではないのか?という疑問は当然出るだろう。科学的にいえば「わからない」のだ。とても座りが悪いがしょうがない。

 超心理学に肯定的な研究者は超能力の存在する証拠だというだろう。超心理学の研究に肯定的な懐疑論者の多くはおそらく見落とした外乱要因を想定しているのではないか*8。結論が一致するだけの結果は出ていないのである。研究結果は科学的かもしれないが、解釈は肯定的な者と懐疑的な者で違うというのが現状だろう。

 僕は単なる素人であり妥当な結論に近づける気はしていないが、最終的には統計的手法の限界ではないかと邪推している。

 さらにいえば、超心理学の研究・論文に関しては科学的だと評価していいけれど、肯定的研究者の発言については正直どうかと思うことも多い。インタビューなどでは、他の超常現象研究者と同じような単なるビリーバーとしか思えない発言もあるからだ。

*1:統計的分析を経ないと検出できないぐらい

*2:なので、客観的な正誤の意見を求められたら僕はそんな感じの答えをする

*3:その範囲では不用意な否定的懐疑論者の放言なんて超心理学に限らず山ほどあると思っている

*4:追記:ASIOSに属する懐疑論者という意味

*5:そして「あんなものは疑似科学である」という懐疑論者を批判することもある

*6:その多くは研究者と呼ぶのもためらわれるが…

*7:超微妙な効果はあるかもしれないという結論ではあるものの

*8:「お蔵入り効果(出版バイアス)」とか、普通にこういうケースで検討されるべき項目は検討済みであるので、超心理学以外の分野であれば定番の批判手法も超心理学にそのまま適用することはできないことにも注意するべきである