読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

あるニセ科学批判者の悩み

ニセ科学

個人的経験からニセ科学批判は役立ってると思う

ニセ科学批判なんてそもそも効果があるの?」なんて話がニセ科学批判批判の話で出てきた*1

私はニセ科学批判に一定の効果があると考えているし、同意してくれる元ニセ科学信奉者の方だっているんじゃないかと思う。現時点では、ニセ科学の侵食の速度を遅くしている程度かもしれないけど、やらないよりはましだと考えている。

私は、ニセ科学等に疑問を抱きはじめた信奉者から個人的な相談メールを受け取るときがある。私の書いたことがきっかけで「今まで信じていたことに疑問を持つようになったが、色々と分からない点があるので教えてほしい。」とメールを送ってくるらしい*2

こういったことがあると、信奉者の考えていることや疑問に思うことが伝わってきたりと、私にとってもメリットがある場合が多い。そういったわけで、できる限り返信するように心がけている*3

一部の批判者が信奉者を萎縮させている

こういった信奉者とのやり取りは、他にも役立つ人がいると思うし、公開されているのが望ましいと思う。しかし、個人的相談をメールでしてくる人の話を聞くと、公開された場所を極端に嫌う気持ちがあるようだ。その理由は「批判者が怖い」とか「袋叩きにされるかもしれない」といったものだった。それから「他の人のコメントを見ていると話が通じないと思うから」というものもあった。*4

結果的に、ニセ科学に対する批判が「ちょっと疑問を持った信奉者」を信奉者側に押し留めている場合がありそうだということだ。これは、たぶん多くのニセ科学批判者にとっても「望まないこと」だと思う。

リスクとベネフィット

ニセ科学批判批判の一部は、上のような問題を指摘していると思う*5。現在のニセ科学批判にも確かにリスクはある。問題は、リスクよりベネフィットが大きいかどうかだろう*6

信奉者をバカにするような内容を含む批判がリスクだけかと言えば、そうとも言えない。信奉者側にいない「あんまり興味ももっていなかった人」とか、「さっぱり分かっていない人」にとっては、効果的かつ低コストで「あれはダメらしいよ」という情報を伝えることができる。たぶん、信奉者よりそういう人の方が多数派だ。世の中で散々批判されているところに、新たに参入しようとするのは特殊な人だけだろうから、私が想像するより遥かに効果的かもしれない。

信奉者が袋叩きにされることによって、信じているけれど「この話題に触れると面倒そうだから避けよう」と思う影響力のある発言者も出てくるだろうから、ニセ科学蔓延の速度が大きく落ちるかもしれない。

ニセ科学批判批判はリスクとベネフィットの評価ができているとでもいうのだろうか?

効果はどのように計ればいいのだろう

効果がないことに拘ってもしょうがない。たぶんそれは事実だけど、効果の大きさとはなんなのだろう。現状より悪くなることを防いだ効果はどのように評価するのだろう。結果的に信奉者を切り捨てることになるリスクはどう評価すればいいだろう。たとえば、批判によって信じなくなった人と、信奉者として先鋭化した人を人数で比較して評価するのは正しいのか。

私は信奉者をバカにするような内容は好みではないし間違っていると思うけれど、客観的にはどちらが好ましいのか、私には分からない*7

ニセ科学批判者だって考えている

ニセ科学批判批判をする人は、まるでニセ科学批判者が何も考えずにバカの一つ覚えのように批判活動をしているように表現することがあるようだ。でもそれは単に現実が見えてないだけじゃないのかな*8

それから、ニセ科学批判者だって、もっと苦悩の部分を表現したっていいんじゃないだろうかとも思う。

追記(2009-03-02)

id:touhou_huhaiさんも「科学の名のもとの邪悪/およびニセ科学批判者の罠 - touhou_huhaiの日記」など、色々なところで効果の問題に言及しているのでトラックバックを送っておきます。

*1:色んなところで取り上げられているけどいくつかリンクを貼っているここにリンクしておくことにした→「[http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20090302/1235924264:title]」

*2:id:NATROMさんのように女子高生(参考「[http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090129#p1:title]」)の例はなく、主婦の例が多いようだ。あえていえば人妻か。

*3:「[http://d.hatena.ne.jp/lets_skeptic/20070501/p1:title]」での一部の項目は、こういったやり取りから切り出した項目である。

*4:私はあまり攻撃的な表現を使わないので「話が通じるのではないか」と思われるらしい。

*5:但し、具体例をあげてくれないので、単なる藁人形叩きに成り下がっている。

*6:とはいえ、ニセ科学を「てんで駄目」とはっきり指摘しながらも、信奉者の大事なものを壊さないということは、ある程度までできるだろうと思っている。

*7:信奉者の説得という視点から見るとダメな事をしている場合でも、私が一方的な批判をしようとせず「目的が違うなら」みたいな限定をつけるのは、私好みのやり方の方がよいのか、本当に分からないから。たぶん、lets_skeptic特有のポジショントークみたいなものだと考えているひともいただろうけど。

*8:信奉者だって考えているから、ニセ科学批判者もニセ科学批判批判者も気をつけるべきだと思うけど。