「違い」を把握していないのならば「似ている」という印象に大きな意味はない
「謝罪します。ニセ科学批判はネット右翼と同じでした - 今日の雑談」というエントリを読んだ。ニセ科学批判はよく「魔女狩り」とかその他色々なものに「似ている」と指摘されたりする。でも、タイトル通り「違い」をきちんと認識していない人が「似ている」と指摘したところで、そこに意味を見出すのは難しい。
人は、自分が新たに知ったことであっても、なるべく既にある知識で解釈しようという性質をもっている。だから、何かと何かの似ているところを見つけるのは比較的得意で、似ているところを探す努力はあまり必要ない*1。これは、認知的な労力の軽減のためだ*2。
ある程度年齢を重ねると、アイドルの顔の区別がつかなくなるなんて話はよく聞くし、私の親の世代の人の会話を聞いていると、新しく会った人の多くが「近所の誰かに似ている人」になっちゃうようだ*3。たぶん、これも認知的な労力を軽減するためだ*4。
それから、人間の基本的な性質には「確証バイアス」なんてものもある。先入観はその後の評価に大きく影響する。「似ている」と評価するのが得意なのが人間なんだから、先入観は「似ている」という評価に転びやすい。
自分が何かに対して「似ている」という第一印象をもったときは、一度立ち止まって「何が違うのか」に目を向けたほうがいいんじゃないだろうか。
それらの間にある違いがはっきり見えますか?違いがわかる程それらの対象を知っていますか?
蛇足
ただ、こういう指摘に該当する人は見たことがあるし非常に苦々しく思ったこともあるので、そういう人がいないとも思わない*5。そういう人には、ちゃんと名指しでツッコミを入れてくださいね。
だって、目的があるならその目的が達成されるようにしなければならないのに、これだけイメージが悪くなってるにもかかわらず、自分たちは正しいことをやってるのだからいいのですってのは、ただの原理主義者ですよね。