波動ビジネス

色々なところで既に語られているところなので、こんな僻地でいまさら私が語ることもないような気はするのですが、やはり気になる「水からの伝言」。

江本氏が水からの伝言の“実験”を行っていて、あるところでは「水からの伝言はポエムだと思う。科学だとは思っていない。僕は科学者ではない。単なるロマン的なこと、ファンタジー。」と言いながらも、同時に「今後、周りの研究者によって科学的に証明されていくと思う。」といったような、矛盾した立場をとり続ける*1……つまり、水の結晶の話は「仕組みはわからないけれども事実なのだ」という立場をとり続ける……のには理由があります。

それは、江本氏がこの実験を「波動ビジネス」の裏付け*2として使っているからです。これは、重要なポイントなので忘れてはいけないと思います。

では波動ビジネスで売っているものは何なのでしょうか。いくつか実際に売っている波動機器を見てみましょう。

波動転写器 : 630,000円
携帯波動転写器 : 283,500円
オーラ測定器 : 1,350,000円
波動測定器 : 1,890,000円(別途研修費用 735,000円)
究極の波動測定器 : 1,980,000円

すごい値段ですね。ちなみに波動測定器の元ネタは海外です。江本氏は日本に紹介して売るという商売を始めて台頭してきたわけです*3。江本氏が扱っている波動測定器の基本はMRA(Magnetic Resonance Analyzer)という機器です。
そして、MRAの原理はほぼ解明されています。簡単に言えば安価な体脂肪計みたいなものです。しかも実際に測っているのは、測定対象者(例えばあなた)ではなく、波動測定器を操作しているオペレータ(!)のものだったりします。
手で測る安価な体脂肪計では、握る強さによって測定値に違いが生じることを知っている人も多いのではないでしょうか?オペレーターがそういった操作をして、悪そうなものには悪い波動値を出したり、良さそうなものには良い波動値を出したりしてれば、信憑性がでてくるというわけです。

水からの伝言」という耳触りのいい話は、たんなる隠れ蓑に過ぎないのです。

それでも単純に「いいお話」だと思いますか?

*1:「AERA」'05.12.5号のインタビューより

*2:または波動を信じさせるための導入部

*3:現在は独自商品ではないかと思います