『404 Blog Not Found:科学=永遠のβ版』

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50787697.html


弾氏は、科学を「永遠のβ版とみなす」という事を言っているようです。これは、今までの弾氏の中では最も適切な科学観だと言えます。逆にいままでニセ科学批判で的外れなことを言ってきたのは、このことを今まで理解していなかったということが原因だとも言えます。

現実問題として、原理的に科学はリリース版にはなりえません。これは人間が万能ではないからです。なぜならば「リリースに足るかどうか?」を判断するためには、完成形が見えなければならないからです。しかし、人間は何が完成形なのかを知る事はできません。完成形を知っているのは「神」だけでしょう。人間は完成形を知らないため、どの程度まで完成に近づいたか?ということすらわからないのです。

このことは、特に新しい見解などではなく、昔から科学という考え方の根底にあるものです。

弾氏もリリースエンジニアリングとして触れているように、ニセ科学はまるで「我こそが神だ」とでも言うかのように、これがリリース版であると宣言します。ニセ科学が宗教で喩えられることが多いのはこういったことを反映しているためでしょう。

ソフトウェアとハックの喩えはなかなか良いものだと思いますが、非常に重要な違いがあることを忘れてはいけません。科学がソフトウェアと違うのは、「これがリリース版である」といった一方的な宣言が不可能である事です。
「リリース版」宣言をした瞬間にそれは「ニセ科学」になってしまうのです。前回触れた「信じることを保証する」考え方に危うい点がある*1ということまで考えると理解が深まるのではないでしょうか。

*1:但し短期的な効果はあるので、メリットとリスクを天秤にかけなければいけない微妙な問題です。