懐疑

超心理学に関する僕の意見

結論から言おう。僕の現状の意見としては「超心理学の中で研究されている超能力(ESPやPK)は存在しないだろう」というものである。 現在まで超心理学の研究結果から得られている結論は「超能力は存在する可能性がある。しかし、それは検出が非常に難しいほ…

『謎解き超科学』でニセ科学に騙されないための足場をつくろう

彩図社より『謎解き超科学』が発売されました。詳細な目次と担当者はASIOS公式ブログの該当記事をご覧ください。 内容はASIOS既刊「謎解き」シリーズと同じく「伝説」と「真相」パートで構成されています。ASIOS名義ですが、外部から菊池聡さん(オカルトニ…

ニヒリストにならないための懐疑論(後編)

この文章は2007年に超常現象同人誌『Spファイル5』に寄稿した文章です。3回に分けて投稿します*1。 第1回:ニヒリストにならないための懐疑論(前編) - Skepticism is beautiful 第2回:ニヒリストにならないための懐疑論(中編) - Skepticism is be…

ニヒリストにならないための懐疑論(中編)

この文章は2007年に超常現象同人誌『Spファイル5』に寄稿した文章です。3回に分けて投稿します*1。 第1回:ニヒリストにならないための懐疑論(前編) - Skepticism is beautiful 第2回:今回 第3回:ニヒリストにならないための懐疑論(後編) - Ske…

ニヒリストにならないための懐疑論(前編)

この文章は2007年に超常現象同人誌『Spファイル5』に寄稿した文章です。3回に分けて投稿します*1。 第1回:今回 第2回:ニヒリストにならないための懐疑論(中編) - Skepticism is beautiful 第3回:ニヒリストにならないための懐疑論(後編) - Ske…

シャープのプラズマクラスター掃除機について

まず最初に確認しておきたいのは高濃度の『プラズマクラスター』が、「浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去」できるというのは、根拠のある話らしいということです*1。そういった前提を置いた上でも、件の掃除機の広告には問題があるという、消費者庁の…

僕たちはなぜ水伝なんかに悩まされるのか

水もごはんも桃も梨も答えを知っているとか 最近、TwitterやFacebookで、僕らにとっては懐かしい「ありがとう」「バカヤロウ」実験が話題になっているそうです*1。詳しくはこちらのエントリなどを参照のこと→『桃は答えを知っている - 男の魂に火をつけろ!…

トンデモさんは自分に当てはまる言葉で他人を批判する

スキーマ 認知心理学では、物事を理解するために利用される知識の枠組みのことをスキーマ(schema)と呼ぶ。人は様々な経験の中で様々なスキーマを形成する。そして、話題によってさまざまなスキーマを切り替えてもいる。特に難しい話ではなく、誰もが無意識…

「奇跡」のジレンマ

日常用語で出てくる「卓越した結果」という意味ではなく、本来の意味の「奇跡*1」は、それ自体がジレンマを抱えているという話。僕はこのことを「奇跡のジレンマ」と呼びたい。 超常現象と認められるためには 僕は、超常現象の調査なんかをやったりすること…

信奉者の説得についての経験談と思うこと

何度か語っていることではあるけれど、僕は超常現象信奉者として、後には超常現象懐疑論者として掲示板上での議論を続けていた。話題は超常現象だけにはとどまらず、俗にいう「ニセ科学」の議論になったことも沢山ある。 そういった歴史の中で、信奉者に説得…

批判者に意識してもらいたい3つのこと

ぼくは元超常現象信奉者で、信奉者としての議論経験も少なくない。そんな経験から、信奉者と議論する場合に、批判者として気を付けたいポイントをあげてみる。相手が純真な信奉者の場合は特に気を付けてほしいところ*1。 1. 信奉者をユニークな一人の人とし…

信奉者だった僕はどのようにして懐疑論者と呼ばれるようになったか

dlitさんの「メモ:サイエンスコミュニケーションと科学者/研究者/専門家に何を求めるか問題 - 思索の海」に始まり、ばらこさんの「サイエンスコミュニケーションで素人にできることを考える(改題)(2) - ばらこの日記」、TAKESANの「或るトンデモ支持者…

『検証 陰謀論はどこまで真実か』はどこまでおススメか

文芸社の高橋様より『検証 陰謀論はどこまで真実か』を献本頂きました。ありがとうございます。目次などはASIOS公式サイトの「ASIOSの本」を参照のこと。 本の構成 本はASIOSの既刊『謎解き 超常現象』シリーズと同じく、最初に「伝説」として陰謀論の説明が…

なぜ有害な治療法も有効だと誤解されるのか

代替医療のトリック 『代替医療のトリック』という本が話題になった。私も今までホメオパシーを例に代替医療の持つ問題を取り上げてきたが、この本を読めば私のエントリの多くは必要ないものと言える。既に多くの書評が発表されているようなので、肝心の内容…

なぜ「なんにも効かない」ものは「なんにでも効く」といわれるのか

通常の医薬品は特定の病気や症状に効果的だが、なんにでも効くというわけにはいかない。しかし、代替医療の多くは様々な病気や症状に効くとされる場合が多い。なぜそんなことが起こるのだろうか。その理由は「効く」の基準が違うというところにあるのではな…

オッカムの剃刀の理解 3段階

非合理批判の場では、「オッカムの剃刀(かみそり)」という考え方が登場することがある。オッカムの剃刀とは、以下のような考え方である。 現象を同程度うまく説明する仮説があるなら、より単純な方を選ぶべきである。 Wikipedia 「オッカムの剃刀]」より L…

悪しき相対主義

というわけで、前のふたつのエントリから、科学の方法として妥当な線で主張を行っているのならば、まともな相対主義を改めて持ち込む必要がないという結論に至ったんだけど、納得してもらえたかどうかはちょっと不安。まあ、あんまり気にせず、相対主義に関…

相対主義者?との付き合い方

というわけで、前回のエントリで相対主義を概観できたと思うから、次の段階に進むよ。相対主義的な話を持ち込んで、科学やニセ科学批判の話に待ったをかけられたとき、僕たちは何を考えればいいんだろうかということについて。あくまで、まともな相対主義に…

そろそろ相対主義について語っておくか

アケオメ!コトヨロ!*1そんなわけで早速みんなの大好きな「相対主義」の話をするよ。今回は相対主義を概観する前編になるんだ。 はじめに 科学の話やニセ科学の議論が始まると、絶対に出てくるのが「オカルトとか超常現象とかニセ科学とかを信じているわけじ…

ニセ科学批判者曰く「うわ、そんなことありえないよ」

どう「ありえない」のか 僕らが「ありえない」というとき、それは論理的にありえない*1とか、物理的にありえない*2なんて事をいってるんじゃない。ただ、それを「妥当な結論である」と判断するなんてありえないと言っているのだ。 だから、「科学は絶対じゃ…

科学者だからといって適切に科学的思考を扱えるわけではない*1

たぶん、科学者は科学者というぐらいなんだから、科学的思考を扱う能力は必須だろうと考える人が多いと思う。でも、現実はそうでもない*1。研究にはある程度の決まりきった手順がある*2。それに従うと、科学的思考なんてのをあまり意識しないでまともな結果…

文章読解力は科学を操る能力に類似したものである(かもしれない)

おそらく人文学系の方で、きちんと研究されているものだと思うのですが、私は人文系の話は疎いため、自分の経験から感じたことを元に書いていきます。id:dlitさん辺りがもっと適切な話*1を出してくれるのではないかと期待してエントリを上げます。 書いてい…

科学は絶対ではない

信奉者から批判者に向けられる「科学権威主義ではないか?」といった批判(非難?)がある。私たち批判者は、そんなことは百も承知だと思っているため、「まともな科学者で科学を絶対だと思っている人などいない」とか「それは科学者が一番知っている」とい…

なぜ考える前にググって良いのか

「考える前にもっとググっていいんだよ - Skepticism is beautiful」には「順番など関係ない」といった趣旨の比較的に厳しい評価もあったようです。考えるか考えないかの問題であって、順番がそれほど重要ではないという指摘は納得行く人も多いと思います。 …

信奉者の問題を過大評価する可能性のある4つのバイアス

はじめに注意しておきたいのは、人間には様々なバイアス*1が存在しますが、それはバイアスと反対方向に認識を偏らせれば正しいということを意味するわけではありません。バイアスの反対方向の考えがよりもっともらしいというわけでもありません。 単に、バイ…

相手の態度はコントロール不可能ではない

批判されて、なるほどわかりました、となる人は少ない - カナかな団首領の自転車置き場と、ぽりあんてなというエントリを読んだ。どちらも、批判や議論、説得のコミュニケーションに関する話です。ニセ科学批判の話が前提にある模様。 批判というコミュニケ…

あなたのいう常識は本当に常識なのか

人に教えるときの常識 - 遥か彼方の彼方からという記事を読んだ。私が、この記事の内容で強く感じるのは、常識や最低限の知識がないとかあるとかの問題ではなく、それを指摘することの「影響力」でした。 注:原理原則に言及する意図はなく、あくまで留意点…

考える前にもっとググっていいんだよ

Life is beautiful: 自分で考える前にググっていませんか?というエントリを読んだ。いや、考える前にググることは推奨していいと考える。私がある問題に対面したとき、頭の良さだけで解決できると思ってはいけない。 - Skepticism is beautifulで書いたこと…

信奉者の説得について

信奉者の説得について、色々な意見が出ています。なかなか高尚な意見が多いなというのが正直なところです。poohさんエラー:So-netブログのコメント欄に端を発し、TAKESANさんのところ(説得という事: Interdisciplinary)や、id:dlitさんのところ(「ビリー…

懐疑主義者が批判的思考を実行しているとは限らない

信奉者以外にとって、懐疑主義者*1はトンデモにひっかからず、より妥当な見解を持っているように見える場合が多いと思います。その背景にはきちんとした批判的思考があるんだろうという想像をする人もいるかもしれません。しかし、単純にそうとも言えません…

ある問題に対面したとき、頭の良さだけで解決できると思ってはいけない。

批判的思考のポイントは「態度」「知識」「技術」の3点でしたね。批判的思考を行うという態度をもっと重要視して欲しいというのが前回のエントリ*1でしたが、今回は知識に焦点を当ててみましょう。 批判的思考における「創造性」の重要さ 日本の批判的思考研…

批判的思考の態度に光をあてて欲しい

重要なのは知識なのか考え方なのか 批判的思考(クリティカル・シンキング)とは何か - Skepticism is beautifulでは、批判的思考のポイントとして以下の3つをあげました。これは、批判的思考の入門書でも、専門的な論文でも普通に使われている分け方です。 …

使い方次第で批判的思考は良くも悪くもなる

基本的に「批判的思考をしよう!」というベースがあるわけですが、その上で批判的思考の限界の認識もあった方が良いと思います。 批判的思考と論理的思考との違い 批判的思考は、単純に論理的思考と一致しません。論理は理想的な状態で前提から必然的に導か…

議論や対話に重要なこと

皮肉と当てこすりとでは世界は変わらない。 - novtan別館という記事を読んだ。私も皮肉や当てこすりで他人の行動を変えることができるとしたら、それはネガティブというか破壊的な方向だと思います。対話において重要なのは他者理解です。他者理解を妨げるバ…

必読:批判的思考を知るための3大オススメ本

批判的思考については、私のエントリを読むよりも、より正確で体系的な知識を得られる本があります。特に自信をもってオススメできる本を紹介します。クリティカルシンキングをうたったビジネス本はいくつも出ていますが、ビジネス本を何冊も読むよりも信頼…

批判的思考(クリティカル・シンキング)とは何か

はじめに 理性的な人がなぜ信奉者になってしまうのか?という問題については、心理学的なアプローチが色々あります。それはそれで非常に興味深く好きな分野なので触れたいのですが、エントリの流れに従うと、先に別の視点から触れたい内容があります。ところ…

信奉者は批判的思考を扱えないわけではない

ニセ科学や超常現象、オカルトなどを信じている人が単なるバカではないということについては、もうちょっと掘り下げてみてもいいかもしれないと思ったのでさらに書きます。 思考のバイアス 心理学では、結論をもっともらしいと感じる意見は批判的思考*1にさ…

あなたの周りにいる人はバカばかりですか?

ニセ科学や超常現象、オカルトなどを信じている人(世の中の多数派を占める人)がバカであるという考え方をする人は、id:mojimojiさんに限らず特に珍しくありません。私の印象だけで言えば、むしろ主流かもしれないと感じます。もし、あなたがそういう考えを…

知識は正しい方がよい

「知識は正しい方がよい」などという考え方は、「知的倫理観」などというもっいぶった言い回しをするまでもなく当たり前のようですが、世の中では比較的無頓着に扱われています。人間は意外と合理的 - Skepticism is beautiful という話で終了した話の続きで…

疑似科学って言いたいだけちゃうんかと

疑似科学問題とはいかなる問題か - モジモジ君の日記。みたいな。というエントリを読んだ。用語を無視すれば全体的に書いてあることは至極もっともだと思う。もったいないので、用語に突っ込みを入れたい。 思うに、疑似科学問題とは、疑似科学と科学の区別…

あなたが懐疑主義だと思っているものは懐疑主義ではない

「知識は正しい方がよい」という話をもうちょっと掘り下げようと思ったら、なぜか懐疑論になってしまったので、先にこっちを投下します。 懐疑主義とは疑うことではない まかり間違って私の文章を読んでいるような人から見ると、世間には「あまりに簡単に信…

人間は意外と合理的

呪術で読み解くニセ科学 ニセ科学がらみの話題で呪術の話が盛り上がっています(いました)。きっかけは、id:Francisさんの「図説金枝篇を読んでニセ科学について考えた - あなたの正義は誰を殺しますか」というエントリの模様(はてブで言及されているリン…

これもまた「ニセ科学批判」批判か?

なんというか - finalventの日記という記事を読んだ。これは、ニセ科学界隈に関する予備知識のない人の利便性のために書いてみたという覚えておきたい、ニセ科学リスト - 妄想科學日報という記事への中の「経皮毒」についてのコメントである。まず、元記事の…

新しい懐疑団体の発足

日本に新しい懐疑団体が発足した。「超常現象の懐疑的調査のための会」ASIOS(アシオス)という団体だ。Webページも公開されている。 ASIOS - 超常現象の懐疑的調査のための会 - Japan Skeptics 日本の懐疑団体としては、Japan Skepticsが有名なようだ。Japan …

変な批判・嫌悪感の源

嫌悪感 「ニセ科学批判」の批判と、超常現象否定派の否定行動はどこか似ているところがあるという印象と、嫌悪感を持っていた。「流行:Chromeplated Rat」というエントリと、そのエントリで言及されている「疑似科学批判が流行る理由 : 社会学玄論」という…

予防原則の弊害

業者に利用される予防原則的考え方 世の中に蔓延している健康商法には、「〜は健康にいい」という直球の他に、「〜は危険だ」という情報を流し、「だから自然由来のものを選びましょう」という話に繋げ、高い商品を売るものもある。さて、前者については「根…

『404 Blog Not Found:科学=永遠のβ版』

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50787697.html 弾氏は、科学を「永遠のβ版とみなす」という事を言っているようです。これは、今までの弾氏の中では最も適切な科学観だと言えます。逆にいままでニセ科学批判で的外れなことを言ってきたのは、この…

何をどう信じるか

『Not Found:書評 - 学者のウソ』懐疑論的視点からも「何をどう信じるか」というテーマは奥深く難しいものです。よく誤解されるものの、現代の懐疑主義者(哲学的懐疑論などを打たない者)は、何も信じないわけではありません。何もかもを疑うのならば、それ…